歯科医療・歯科臨床への活用
- ・治療前の口腔機能(咀嚼機能)の把握
- ・治療の効果・経過判定(機能回復・改善の評価)
- ・定期検診による口腔内の健康状態の把握(機能維持の評価)
- ・義歯の安定性、適合性の評価、矯正治療中の変化観察、咀嚼方法の指導など
食育ツールとしての利用など
- ・小学校高学年の児童に対して咀嚼に関する指導訓練を行い、効果をグミゼリーを用いて評価
- ・小学校中学年~中学生の生徒について、永久歯への交換期での咀嚼能率の比較
- ・小学生における全身の発育状態や運動能力と咀嚼能率の関連性の調査
- ・大学生に対する管理栄養士養成課程における咀嚼を学ぶ体験学習への取り組み
- ・施設入所高齢者の咀嚼スコアと食形態調査
検査手順
監修:小野高裕
(新潟大学大学院医歯学総合研究科
包括歯科補綴学分野)
①準備するもの
- グミゼリー(測定30分前には冷蔵庫から出して室温に!)
- 紙コップ
- ガーゼ(15 ㎝四方程度)
- ピンセット(口腔内に残ったグミゼリーの咬断片の除去のため)なくてもよい
- 割り箸(ガーゼ上に咬断片のグミゼリーを広げるため)またはそれに代わるもの
②口腔内にグミゼリーを置く前に
患者様へ噛み方について指示- 普段噛んでいるようにして、自由に30回噛んで下さい
- 回数はご自身で数えて下さい
- 噛んでいるときに、グミゼリーを飲み込まないで下さい
- 30回噛み終えたら、紙コップ上に噛んだものをすべて吐き出して下さい
③検査方法
数千人規模で、高齢者の口腔健康を口腔機能を含め、口腔内状態について総合的に調査。
フレイル対策の基礎的データとして活用されます。
健診項目
- 問診
- 咀嚼機能評価(噛む機能)
- 舌機能評価(舌の動き)
- 嚥下機能評価(飲む込む機能)
- 口腔内診査( 歯の状態、咬合の状態、口腔清掃状態)
鳥取県後期高齢者医療広域連合HP お知らせ「後期高齢者医療歯科健康診査」より引用
吹田研究
国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)予防健診部で基本健診を受診した方を対象に、都市部一般住民の動脈硬化性疾患リスクを検討する研究プロジェクト
2008年より大阪大学・新潟大学とコラボした歯科研究がスタートし、
歯科検診において、グミゼリーを用いた咀嚼能率測定を行っている。
歯科検診において、グミゼリーを用いた咀嚼能率測定を行っている。
咀嚼能率はさまざまな条件によって影響を受けます。中でも大きな因子が奥歯の噛み合わせです。
下の写真は、それぞれの噛み合わせの集団で下位25% になるスコアを示しています。
この中で、奥歯の噛み合わせがまったくない人の下位25%(スコア2)になると、明らかに咀嚼能力が低下していると言えます。
下の写真は、それぞれの噛み合わせの集団で下位25% になるスコアを示しています。
この中で、奥歯の噛み合わせがまったくない人の下位25%(スコア2)になると、明らかに咀嚼能力が低下していると言えます。
口腔機能低下症の診断に必要な症状として
・口腔不潔 ・口腔乾燥 ・咬合力低下 ・舌口唇運動機能低下 ・低舌圧 ・咀嚼機能低下 ・嚥下機能低下
の診断基準を示している
論文中で咀嚼能力測定用グミゼリーを用いたスコア法が、咀嚼機能低下を検査する方法のひとつとして、視覚的に咀嚼能率を評価する方法、また多数の被験者を同時に検査するのに有効な方法として紹介されています。